雪結晶は本当に1枚の板?
1枚の写真だけでは分からない雪結晶の奥行きを探究します。写真から構造を予想し、焦点移動動画で枝が属する層を調べ、最後に3Dモデルで推定構造を確かめます。
このページの問い
天然雪には、枝数が六本に満たない複数の結晶板が組み合わさって六花に見える例や、二枚以上の六花がc軸方向に重なる例があります。
一花・二花・三花・四花・五花・七花・八花など、枝の本数や外形そのものを比較する場合は、枝数・形態探究へ進みます。
組み合わせ六花の構成要素を確認する
2花・3花・4花の観察ページは枝数・形態探究に属しますが、2花+4花や3花+3花を読み解くための構成要素として、ここから参照できます。1花は独立ページを作らず、形態探究ページ内の短い説明から関連資料へ進みます。
写真だけで構造を予想する
最初に深度合成写真を見て、六本の枝が一枚の板に属するのか、複数の板に分かれているのかを予想します。
- 枝の形や太さは六本でそろっているか
- 枝の根元は同じ中心から続いて見えるか
- 重なりや合焦の違いを示す手掛かりはないか

奥行きを調べる観察方法を考える
正面写真ではc軸方向の位置が重なって見えます。そこで、ピント位置を手前から奥へ順に移し、どの枝が同じ位置で明瞭になるかを調べます。
焦点移動動画を見る
焦点移動動画を全画面で再生し、ピントが別の層へ移る位置で一時停止します。2花+4花の2標本、1花+5花、二重六花、3層結晶、12花などの実標本を比較できます。3花+3花は、一般的な構造例として3Dモデルで確認できます。
どの枝がどの層にあるか整理する
手前・中間・奥の各焦点位置で明瞭になる枝を対応付けます。三本ずつ別の焦点位置で明瞭になる場合は、3花と3花の二枚の結晶板として解釈できます。
ただし、焦点差だけで結晶の形成過程まで一意に決まるわけではありません。観察できた前後関係と、そこからの解釈を区別します。

3Dモデルで推定構造を確かめる
動画から推定した結晶板の組み合わせを、真上・斜め・真横から観察し、「分解」操作で各層を分けます。3Dモデルは観察結果を整理するための模型であり、実物そのものの完全な復元ではありません。
組み合わせ六花・重なり雪結晶を3Dで見る別の標本に考え方を適用する
一つの標本で学んだ方法を、2花+4花の2標本、1花+5花、二重六花、3層結晶、12花へ適用します。まず予想し、動画を見て、枝と層の対応を整理してから3Dで確認します。3花+3花は3Dモデルの構造例として比較できます。
奥行きを見ることで解釈が変わる枝数・形態の例
1花・2花・3花・4花・5花・7花・8花などの総合的な入口は枝数・形態探究です。ただし、次の標本は焦点位置の違いが構造解釈の根拠になるため、この奥行き探究からも該当例へ直接進めます。
この教材の親子関係
発展:六本以外に見える結晶が、すべて重なりとは限らない
角の変形や裂開、成長の不均等、枝の破損などでも、見かけの枝数は変わります。特に8花の観測例は、向かい合う角の裂開によって枝が増えたと解釈でき、変わった枝数をすべて結晶板の重なりで説明できないことを示す反例です。
授業で使う
写真だけで予想する段階を先に置き、その後に焦点移動動画、枝と層の整理、3D確認へ進むと、観察事実と構造解釈を分けて考えられます。
授業での使い方・教材利用を見るもとにした資料
- 牟田淳「雪結晶板の厚さ方向の形態がわかる動画教材の開発」『物理教育』74巻1号、8–11頁(2026)。
- 「北海道において観測された未分類の雪結晶―5花、7花等の形態多様性」東京工芸大学芸術学部紀要『芸術世界』32号、69–77頁(2026)。
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