銀河鉄道の夜の舞台写真集
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』に現れる天の川沿いの星座を、オーストラリアのエアーズロック周辺で撮影した写真とともにたどる資料集です。
白鳥座から南十字星へ
『銀河鉄道の夜』の銀河鉄道は、白鳥座からわし座、さそり座、南十字星など、天の川沿いの星座を旅します。南半球でそれらを一望できる星空を写真でたどります。
物語の旅程は、実際の空にそのまま描けます。出発点の「北十字」ははくちょう座——デネブを頭に天の川に横たわる大きな十字です。列車はわし座(アルタイル)を過ぎ、「さそりの火」の赤い星アンタレスを望み、終点近くの「サウザンクロス」=南十字へ。駅の名前が、天の川沿いに並ぶ実在の星座と対応しているのです。日本からは北十字と南十字を同じ夜空で見渡すことはできませんが、南半球のオーストラリアなら、この全行程がひと晩の空に収まります。エアーズロック(ウルル)周辺への遠征は、賢治の路線図を一枚の空で確かめる旅でした。
その天の川の正体は、私たちの銀河系の円盤を内側から眺めた姿です。南の空でひときわ濃く明るく見えるのは、そちらに銀河の中心(いて座の方向)があるから。そして物語に登場する「アルビレオの観測所」の名も、実在の星に由来します——はくちょう座のくちばしにある二重星アルビレオです。望遠鏡を向けるとオレンジと青の対比が美しいことで知られ、賢治は作中でその色をトパーズとサファイアにたとえました。実際の空と物語の記述を突き合わせながら眺めると、この写真集は二倍楽しめます。
詳しい解説には、 牟田淳『宇宙と物理をめぐる十二の授業』(オーム社) を案内していました。

写真集(資料集)
白鳥座からわし座、さそり座、そして南十字へ——物語の順路を思い浮かべながら、天の川に沿って視線を南へ運ぶように眺めてみてください。魚眼レンズの一枚には、その路線の全体が写っています。

























全天周コンテスト優秀賞
全天周コンテストの賞状も、研究・教育活動の記録として掲載しています。
